坂本九さんの歌声は、
優しくて、
あったかくて、
人間らしい。
1963年に公開された映画「見上げてごらん夜の星を」を最近見ました。
九さんの台詞と歌には境目がありません。
それは芝居に嘘がない、ということかもしれません。
“芝居“
自分とは別の"役"を演じる中で、嘘が無いというのはおかしな話なんですが、
今まで生きてきた人生に嘘をつくことなく、ありのままの自分と役を重ねあわせて、歌い、話す。
だからこそ、「こう見せたい」とか「あぁ聴かせたい」という自意識を感じるわけではなく、
ここで歌いたくなったから歌うし、分かり合いたくて拳を振り上げる。
そこにはしっかりと湯浅太平(九さんの役)が生きていました。
“歌う“という行為ではなく、
心に喜びが溢れたり、悲しみに打ちひしがれた時、"歌"が想いとともに溢れ出る。
この物語に描かれていた人物は、みんな
一生懸命笑って、
一生懸命喧嘩して、
一生懸命生きていました。
いずみ・たくさんの音の入れ方、数々の曲もとても魅力的です。
素晴らしい役者と音楽、
戦後の高度成長時代をとらえた脚本(ストーリー)。
なんて素敵な和製ミュージカルだろう。
九さんのお陰でこの作品と出会うことができました。
本当にありがとうございます。
歌日記でした。