ラミン・カリムルー。
CDや映像で大好きになり、「ジーザス・クライスト=スーパースター in コンサート」を初めて生で観劇。
その後、大好きな作品「CHESS THE MUSICAL」で来日する!という情報を聞き、
「これは絶対に観劇に行かなければ!」と思っていたら、
なんと自分が出演することになった衝撃的な舞台でした笑
開幕まで残り2週間というタイミングで
突然出演依頼が舞い込み、驚きとパニックでしたが、
「CHESS」という作品のファンであったこともあり、
楽曲は全部頭に入っていました。
しかし歌唱は全て英語。
そして稽古場に入って驚いたのは演出、振り付けのニック・ウィンストンの踊りの細かさ!
もう出来上がってきているみんなのフォーメーションを見ながら
「・・・・・これ俺、本当にできるのだろうか・・・」
という不安の中、一つ一つの振り付けの意味を丁寧に教えていただいたら、なんと言葉と振り付けが一致しているんです。
「細かい」と前に書きましたが、徐々に頭の中に浮かぶ言葉が変わってきました。「繊細」です。
ニックの人柄と愛のある繊細さによって、何とかみんなに追いつく事ができました。
そしていよいよラミン、サマンサ、ルークが合流し、通し稽古開始。
3人のパフォーマンスは圧巻の一言。
一気に僕たちのボルテージも最高潮に高められました。
憧れのラミンは、舞台上での姿から感じた通り、
エネルギーに溢れ、僕らのモチベーションを上げてくれつつ、
チャーミングでいたずら好きな最高のパフォーマーでした。
歌う、という感覚ではなく、音楽という空間の中を自由自在に飛び回り、
そこにあるリアルを語り、シャウトし、「伝える」という行動の中で生きている人でした。
そんな嘘をつかない芝居をするラミンとチェスで対決する役を頂き
とても光栄だたんですが・・・僕それまでチェスやった事なかったんですよ・・
なんとかルールを頭に入れ、実際にラミンと対決。
こんなに早く終わる?ってくらい簡単に負けました。
いやいや、話の流れからしてこんなに早く終わったらダメなんですよ!
というダメ出しを頂きました・・。
物語のクライマックスにラミンがチェックメイトできるのがベスト。
こんな難しい事あります?!
そしてラミンは嘘つかないんです。
変な手を打ったら、「それでいいの?ならこう行っちゃうぜ?」てな感じで僕を負かせにきます・・・
嘘つかないなぁ・・そういう所大好きでした。
本番が始まってもラミンと僕は毎回真剣に勝負していました。
スヴェトラーナとフローレンスに心を揺さぶられ続けて、
あれだけの曲を歌いながら
チェスで真剣勝負をするラミン。最高にかっこよかったです。
千秋楽、チェスの勝負がつき、僕と握手したラミンは舞台上で僕を引き寄せ、
耳元で「オワルノガ、サミシイ」と。舞台上で。
やめて、中井に戻って涙出ちゃうじゃない。。
そんなラミンが僕のラジオ番組に出演してくれたのも、忘れられない想い出です。
ラミンのギター弾き語りの「Ol’ Man River」。
皆さん聴いて頂けましたか?
ラジオブースに響き渡るラミンの言葉。
音楽に対する愛。
言葉に対する愛。
本当に愛に満ちた歌でした。
まだコロナが蔓延する前の2020年1月の話。
歌日記でした。