沖縄県は日本軍の組織的な戦闘が終わったとされる6月23日を「慰霊の日」としている。
普通の生活をしていた人たちが、突如戦争に巻き込まれる。
そんな歴史を描いた作品、「ひめゆり」。
この歴史をミュージカルという形にする事。とてつもないエネルギーが必要だったと思います。
演出のハマナカ先生がシーン毎の稽古で制作過程のお話をしてくれるのですが、ひめゆり学徒隊の方々の想い、巻き込まれた人々の怒り、悲しみ、それを残そうとすることに協力してださっている方々。
そんなエネルギーを一点に受け、ハマナカ先生の創った台本は、とても辛く、悲しく、重い。
僕が演じさせていただく檜山上等兵は、戦争に生き、手を染めてきた自分、人が人を殺していく現実に打ちのめされています。
「戦争が俺を壊してしまった」
なんという台詞なんだろう。
戦争というものが起こす悲劇は、人間が人間でなくなる。生きるためには殺さなければならなかった。
そんな異常なことが起きてしまう現実。
今世界で起きているテロや戦争、巻き込まれているのは普通に暮らしていた人々。
この負の連鎖はいつまで続くのか。その現実を演じて観せる役、檜山上等兵。
あまりにも重い役です。
そんな中、はいだしょうこさん演じるキミは
「すべての望みが見えなくなった だけど感じてる あたたかいあなたの涙を」
と、生きる望み、生きる意味を伝えてくれます。
涙があふれます。
檜山上等兵を生きるという事。
「慰霊の日」である今日、空を見上げながら感じさせてください。
歌日記でした。
戦争という悲劇の中で失われた、たくさんの命の礎の上に今の平和がある。
もちろん私は戦争を経験していません。
「日本」という国は、命をかけて守り抜かなければならないほどのものだったのか。
人の命以上に大切なものだったのか。
そうしなければならなかった、その時代の人々の思いを、少しでも感じられたらと思います。