逆再生ミュージカル。
台本を読んで、音楽を聴いて、「?」がたくさん頭の中をよぎった作品でした。
これは、どう観えるのだろうか・・
どう感じるのだろか・・
僕らはどう進めばいいんだろうか・・
たくさんの疑問を持って、稽古場に向かいました。
その中で演出のマリアと作りあげていったものは、
その役としてみんながどう生きるか、ということでした。
元基君はどんどんとフランクにのめり込んでいき、
成功を得たにも関わらず、失ったものの大きさ、情熱が削れてしまった男を
冒頭から創り上げ、僕らを引っ張ってくれました。
ウエンツさんチャーリーの頑なさ、頑固さ。
玲奈さんメアリーのフランクへの愛、切なさ。
朝夏さんガッシーの妖艶さ、欲深さ、人間らしさ。
今井さんジョーの哀愁、大物感、チャーミングさ。
そしてみんなで挑んだソンドハイム楽曲。
ボーカルリーダーを任せてもらいましたが、
アドバイスさせていただいたことがどんどん反映され
皆さんの声がイキイキと動き始めていくのを体感できて、本当に幸せでした。
クリエイターならではの葛藤。
やればやるほど、フランクを怒りたくなるし、愛おしくなります。
完璧な人間なんていない。
どこかでみんな道を踏み外す。
でも。
まだまだ、やり直せる。
若い頃に抱いていた純粋な情熱を、
追いかけてもいいじゃない。
なんて投げかけてくれる作品。
逆再生だからこそ、感じるんです。
素敵なスタッフ、共演者に出会えて、感謝。
この大好きな作品をお客様に届けることができて、感謝。
僕は幸せ者です!
ありがとうございました!
中井智彦