【歌日記】「翼をください」を選曲した理由、そしてミュージックビデオについて。*一般公開ページです

9月7日発売EP「Singer Song Actor」は、ファンの皆さまからリクエストを募り選曲しました。
しかしこの曲「翼をください」だけは、僕がチャレンジしたいという想いから真っ先に選曲させてもらった曲です。

何も考えずに空が飛べたらいいな、と想い歌っていた小学校時代。
38歳になった僕が再びこの詩と向き合ったとき、全く違う景色が見えました。

空を飛び回るように歌っていた頃。
いつからか飛べないと信じている今。

歌詞の捉え方でこんなにも世界が変わってしまった今に、驚きと、この歌詞にある無限の可能性に感動しました。

そして何度も読み返しているうちに、
夢を抱き続けて、いつしかその夢に囚われ苦しんでいるひとりの男が、
子供の頃の純粋な想いをこの歌に再び触れる事によって思い出す…。
という物語が浮かんできました。

そんな中、今回のEPの中からミュージックビデオを作りましょう
とマネージャーからの打診があり、ではぜひ「翼をください」で挑戦したい!という事で
今回のプロジェクトが動き出しました。

そんな想いを長濱司さんとも共有し、疾走感のあるアレンジが完成。
成尾憲治さんのギター、田中啓介さんのベース、森拓也さんのドラムがさらに楽曲のストーリーを際立たせてくれました。

そして映像ディレクターの阿比留拓朗さんとのディスカッションが始まりました。
阿比留さんとは2017年の山口きずな音楽祭からのご縁で
その後は僕のライブ収録の制作をお願いしたり、
「アートにエールを」の映像制作でご一緒したり、
今までたくさん一緒にお仕事をしてきた中で、
とても真摯に映像に取り組む姿勢が素敵な方です。

またご一緒に何か作りたいと思っていた矢先のミュージックビデオの打診だったので、
真っ先に阿比留さんの名前を挙げました。


どんな作品にするか?
あえて物語を見せず、抽象的に?
それともガッツリ物語をたどるか?
本人(僕)が出るか、出ないか?

ディスカッションの中で産まれてきた案は、
中井自身が出演し、歌い、その物語を表現しよう、でした。

そして撮影場所は僕の大好きなスポット、
江ノ電の七里ヶ浜駅近くの砂浜と、
江ノ島駅近くにある古民家。

舞台とは違い、断片的にたくさんのカットを撮影する作業はとても新鮮でした。
この角度で、こんな感じの演技で、
と、阿比留監督の指示のもと撮影。
共演者の佐藤愛さんの存在感、少年の背中の演技がこうやって形になるんだー
と、終始感動しっぱなしでした。

そして完成したのが、このミュージックビデオです。
『歌の中に生きる』
が僕の生きがいなのですが、
歌の中の登場人物として映像になったことは、一生忘れられない最高の出来事です。

たくさんの方にご覧いただけたら嬉しいです!



歌日記でした。




 

ゲスト

  1. ゆき

    中井さん Blog更新ありがとうございます
    翼をください のMVが誕生するまでのお話を
    中井さんスタッフさん 長濱さんを始めバンドメンバーの皆さん 阿比留さんのお話をこうして聞いて
    中井さんがどうしてもEPに詰めたかった気持ちが伝わってきました
    前奏のI音目を聴いて その斬新さと少し懐かしさを感じる映像に一気に引き込まれました
    この古民家が少年と中井さん佐藤さん演じる女性
    3人が醸し出す空気感に凄く合っていて
    ギターを抱え曲を創る中井さんと佐藤さん2人の会話まで聞こえてきそうな…存在感に溢れこの物語の中で2人はどうなっていくんだろうと気がかりで。
    ギターをスーツに持ち替えるシーンは胸が痛みました
    1番の部屋の中の3人から2番の明るい陽射しの中
    海の前で子供の頃の自分(少年)と出会いネクタイを外し歌う中井さん
    そして成尾さんの泣いているようなギターの音色
    そしてバンドメンバーの皆さんの演奏に応えるように
    何かを思い出したようにアップテンポになっていく中井さんの歌声にやっぱり私は一筋の光を見た気がしました
    飛ぶこと
    心を自由に何にも縛られる事なく自分のやりたい道
    音楽を続けていく事 なのかな?と思いました

    大人になって忘れてしまった 諦めてしまった事と
    もう一度向き合ってみる
    大切な事を思い出させてくれた歌で
    ラストの家を出て明るい外に出る佐藤さんと 最初の少年と同じ場所 明るいところに腰掛けてギターを抱える中井さん
    それぞれの道を見つけたようにも思え2人はまだ別れじゃないのかな?と希望を見えたようにも思いました

    まるで一本のショートムービーを観た気持ちになれます
    今回 こうしてMVにしてくださってありがとうございました
    全員で熱い想いを抱えながらこの作品と向い合ってこられたんだなと読んでいて感じました

    配信リリースとMV どちらもあるからこそそれぞれの曲から受け取るものが違って どちらもあって嬉しいなと思います

    あの時の自分へ 心の瞳 も大好きな曲です
    楽しみですし 9月のCDへの期待がさらに高まりま
    した

  1. あずさ

    15周年記念MP第1弾のこの、「翼をください」。MVのドラマと楽曲の素敵さで、衝撃的でした。

    何となく聴いていただけでは気づかなかった、この曲の音楽と歌詞に込められた意味が、時とともにこんなにも変化するなんて。この曲って、なんてミュージカルだったんだろうと今、思っています。5歳の子どもはこの曲を4回繰り返して聴いて、目に涙を浮かべて、「いい曲だね、この曲作った人の気持ちがわかるよ」、と言いました。「飛びたいけど、人間は飛べないもん。だからすごく悲しい気持ちだけれど、本当に飛びたいと思っているんだと思うよ」と、言いました。まさにそれが、子どもの頃聴いた感想だと思います。

    10歳の子どもは、「飛びたい」は本当に飛ぶってことじゃないと思うと、言いました。私もこのMVを見て、中井さん演じるこの男性にとって、歌うということ、音楽こそが翼なんだと、思いました。でも、飛ぶのはそんなに簡単なことじゃなくて、冨とか名誉ばかりかたくさんのそれ以外のものも削ぎ落さなければならなくて。恋人との別れのシーンが切なくて、このお別れが「さよならをもう一度」だといいな、と。翼を得て飛びたったあと、またいつか再会していっしょに大空を飛べるといいなと願いました。

    このMVは中井さん以外の誰にも撮れなかったと思います。MV初挑戦、素敵な作品を創ってくださって、阿比留さん、長濱さん始め、皆さん本当にありがとうございました。(成尾さん!!と思わせるギターも、本当にかっこよかったです。)別バージョンの映像なしで聴くと、昔聴いていた「飛べたらいいのにな」というシンプルな曲に聴こえて、また別の味わい。これもまた、新鮮でした。配信第2弾も、本当に楽しみです!!

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